買い揃えるもの

 本来は、水槽に水を入れてすぐにフグを入れてはいけません。フグや魚が出す糞や呼吸の結果で毒が出ますが、それを比較的無害なものにしてくれる微生物(バクテリア)が十分に繁殖していないからです。しかし、フグはもう取ってきてしまっています。ビンの中よりは水槽の中が「マシ」なので、入れてしまうというわけです。

 できる限り、すぐに熱帯魚店に買いに行きましょう。ビンの中のフグはいつ死んでしまってもおかしくない状態なのです。

 さらに具体的な水槽と器具の組み合わせ例は後で紹介します。


必要なもの(水槽設置編)

(1) 水槽

 大きい程、フグの生存率は上がりますが、せめて30cmの水槽(16リットル程度)を用意しましょう。

店頭在庫品のみのお買い得特価!テトラ RG―30(水槽単体)◆(保証印)

16リットルの水槽単品です。
プラスチックのフタだけが付属しています。
私は最初、この水槽で始めました。


 水槽にフィルター、ヒーター、ライトなどがセットになっているものも多くあります。それを選択すると安く入手できます。

ラウンド グラスアクアリウム ライト付観賞魚飼育セット テトラ 《お一人様1点限り!》テト...

上の水槽に、フィルター、ライト、カルキ抜き(サンプル)、水質調整剤(サンプル)、エサ(サンプル)が追加されていて簡単です。
ただし、これだけでフグが飼育できるわけではありません。


 フタのセットになっている水槽、または別売りで用意されている水槽を選ぶとラクです。フグ飼育にはフタは絶対に必要です。

テトラ テトラ RG−30用プラフタ(1枚)

RG-30専用のプラスチックのフタです。
専用のフタがない場合、作らなくてはいけません。



(2) フィルター

 フィルターとは、フグや魚の排泄や呼吸の結果、毒が出るため、それを比較的無害なものに分解するのに、必要不可欠なものです。これが無いとフグは中毒死します。

※ エアコンなどではフィルターといえば、スポンジ状のもののことを指しますが、アクアリウム界では「フィルター」は「ろ過器本体」のことを指します。エアコンで言うスポンジ状のものはアクア界では「ろ材」と言います。

※ 「ろ過」とは、普通はゴミなどを濾し取る(こしとる)事を言いますが、アクア界では少し違います。もちろんゴミを濾し取ることもろ過ですが(これを物理ろ過と言います)、呼吸で毒が出たり、糞が毒に変わったとき、その毒を微生物(バクテリア)によって分解することを主に指し(これを生物ろ過と言います)、フグ飼育には物理ろ過よりも、むしろこの生物ろ過の方が重要なのです。その微生物はろ材に自然に住み着きますが、肉眼では見えません。

 フィルターは、水槽内から水を吸い、ろ材に水を通し、また水槽に水を戻すことでろ過します。

 いろいろな方式がありますが、一番ラクなのは外掛け式です。設置や手入れがラクで、熱帯魚店も勧めているかも知れません。しかし、能力は非常に弱く、立ち上がり(十分な量のバクテリアが定着すること)も遅いため、ただでさえミドリフグの命が危険な今は勧められません。

 テトラ 《お一人様一点まで》テトラ オート ワンタッチフィルター AT―30(保証印)

本体にろ材を差し込んで水槽のフチに引っかけるだけの簡単な外掛けフィルター。
ろ材の量が少ないため、生物ろ過には不向きですが、隔離水槽に使ったり、水流を作りたい場合などに便利。



 その点、上部フィルターは手入れも簡単な上、高性能です。水槽の上に置くだけで簡単に設置できます。しかし、45cm〜60cm水槽ならば良いのですが、30cmの小型水槽では取り付けられるサイズの上部フィルターが入手困難です。

2つのろ過槽でもっと水キレイ!ジェックス デュアルクリーン フリー 淡水・海水両用 45〜60...

30cmの海水水槽で使える上部フィルターは入手困難ですが、45cm水槽を置ける場合には上部フィルターが選択肢に入ります。
この機種は長さが調節できるため、45cm〜60cmの水槽に取り付けられ、将来的に水槽のサイズを大きくする場合にもそのまま使えます。同梱されているろ材では弱いため、別にろ材(サンゴ砂など)を用意した方が良いでしょう。
上部フィルターには、海水用、淡水用の両方が存在します。ミドリフグは汽水なので、海水用(または淡水・海水両用)を選択します。
この機種は海水で使えるものです。



 そこで、このサイトで勧めるのは底面フィルターです。底面フィルターの能力は高く、外掛けフィルターの比ではありません。フグの生存率が上がり、水質が非常に安定します。値段もとても安いです。

※ 「立ち上がる」とは=毒を分解する微生物(バクテリア)が十分な状態になることです。立ち上がるまでは、40日くらいかかり、その間にフグを水槽に入れていた場合、中毒の恐れがあります。

 底面フィルターは水槽の底に置いて上に砂を敷いて使います。煙突状のパイプから水を汲み上げるときに、その勢いで"すのこ"状の部分から水を吸い、上にかかっている砂に水を通し、ろ過する仕組みです。

 ニッソー スライドベースフィルター

単純な仕組みなので、どれも同じ様なものですが、選択のポイントは、すのこの面積とパイプの高さが水槽に合うかどうかと、値段です。
この機種は非常に安いです。



 底面フィルターには、エアリフト式と水中ポンプ式があります。

 エアリフト式は、煙突の一番下の部分に空気を入れ、その空気が煙突を上に上がるときに、一緒に水を巻き上げる力を利用する方法です。泡が水面でブクブクとはじけるので塩だれが起こりやすく、音も少しうるさいでしょう。別途、エアポンプが必要です。

※ 塩だれとは=水をブクブクさせることにより、水槽のフチなどに水が飛び散り、その後、水分が蒸発して、塩が残っている状態のことです。

 ニッソー スライドベースフィルター ミニ (底面フィルタ)

エアリフト式の底面フィルターです。
小型水槽用で、上の機種と違う部分はすのこの大きさとパイプの高さです。
この機種にはエアチューブが付属されていないので注意が必要です。


 水中ポンプ式は、その名前の通り、水中ポンプで水を吸い上げます。空気を使わないので塩だれの心配はあまりなく、エアリフト式に比べてパワフルです。

【数量限定大特価!】安価で強力!ポンプ式底面フィルター!ニッソー スライドベースパワーフ...

水中ポンプ式の底面フィルターです。



 水中ポンプを使う代わりに、外掛けフィルターで吸い上げることもできます。この場合、エアポンプが必要ないですし、水槽内がスッキリします。外掛けフィルター+底面フィルターでセットで販売されているものもあります。セットでないものは、パイプの径が合わなかったりする場合も多く、少し設置が難しいでしょう。

ニッソー マスターパル ミニ+スライドベースフリー

底面フィルターと接続できる外掛けフィルターがセットになっている商品です。



(3) エアポンプ

 エアリフト式の底面フィルターを駆動させるのに必要です。

 何かあったときにフグを隔離する場合、エアレーション(ぶくぶく)が必要になることがありますが、その時のために用意しておいても良いかも知れません。

低振動・超静音・高圧力!!水作 水心 SSPP―3S(エア量ダイヤル調整式)

この機種の様に空気を排出する量を調節できるタイプを選びましょう。
水作社の水心(すいしん)は抜群に静かです。
我慢できないくらいにうるさい機種もあるようですので、この機種を選ぶのが無難です。
私もこれを使っています。


(4) エアチューブ

 エアリフト式の底面フィルターで、エアチューブが付属されていない場合に必要です。付属されているものには必要はありません。

 ペットライブラリー株式会社 ペット工房 エアーチューブ クリア 2m

エアチューブはどの商品も径に違いはないので、どれを選んでも問題はありませんが、選ぶポイントはチューブの柔らかさ、色、長さです。


(5) サンゴ砂

 水槽の底に敷く砂です。サンゴ砂とは、サンゴが死んだ後、石の様になり、砕けて細かくなったものです。砂を敷かない飼育方法もありますが、底面フィルターではこの砂こそがろ材になるので必要です。

 砂も各種ありますが、サンゴ砂にする理由は、サンゴが水のpHを上げてくれるため、ミドリフグの飼育に適しているのです。

※ pHとは、酸性かアルカリ性かを示す数値です。7.0を中性として、それより上がアルカリ性、下が酸性です。ミドリフグはアルカリ性を好みます。7.5〜8.0くらいで良いでしょう。pHを測定するには、試験紙や試薬を使うか、デジタルpHメーターを使いますが、人工海水の素にはpHの調整剤が含まれているものがほとんどなので、あまり気にする必要はありません。水槽内では、水が汚れてくると、段々と酸性に傾いていき、淡水魚飼育ではこのpHが水替えの目安になりますが、サンゴ砂+人工海水の素を使うミドリフグ飼育では、あまりこれを目安にしない方が良いでしょう。

 粒の大きさも様々ありますが、粉でないものならば何でも良いのですが(粉は扱いづらい)、底面フィルターを使う場合は、米粒大〜小豆大くらいが良いでしょう。

 ASD No.37 Coral(サンゴ砂) ミディアム 3リットル(30cm水槽用)

30cm水槽で底面フィルター使用だと、3リットルくらい必要です。



(6) ヒーター

 ミドリフグは熱帯魚なので、26度前後が適しています。秋〜春の自然な水温では低すぎます。ヒーターを取り付けて、水温を上げましょう。ヒーターには大まかに分けて3種類ありますが、最初はオートヒーターで良いでしょう。

※ どのタイプのヒーターにも水温を下げる能力はありません。

・ヒーター
 ○ 単体での値段が安い(交換時に安く済む)
 × 温度を感知する機能が無いので、サーモスタットが別に必要

 ジェックス コンパクトスリムホットパック 65(保証印)

ヒーターとサーモスタットのセットです。



・オートヒーター
 ○ 水温を感知し、あらかじめ設定されている温度(大抵26度)に自動調整される
 × 値段が高い

 エヴァリス プリセット オートヒーター 50(保証印)

26度のオートヒーターです。
別に「金魚用」などもありますが、設定温度が低いのでフグには合いませんので、注意しましょう。


・一体型オートヒーター
 ○ 水温を自由に設定できる
 ○ 水温を感知し、設定温度に自動調整される
 × 値段が高い

キュートなデザイン!安全設計!ジェックス 《期間限定セール》プチオート 60 温度調節機能...

ヒーター内にセンサーが内蔵され、温度を調節できるサーモスタットと一体化されているヒーターです。
デザインも可愛いです。



 ヒーターのワット数(w)によって、温める力と値段が違います。水量に対してワット数が低すぎる場合、外気温によっては設定温度まで温めることができない場合があります(冷えるスピードの方が速い場合)。ヒーターのパッケージに水量(または水槽の大きさ)に適しているワット数が書かれていますので、参考に購入しましょう。地域によっても違いますが、関東では30cm水槽には50wで良いでしょう。オートヒーターは26度のものを選びます。

 水替えの時に、新しく作った水を温めるのにもヒーターを使うのがラクです。できればもう1本用意しましょう。


(7) 水温計

 水温を表示するものですが、これにも様々なものがあります。

・昔ながらの棒状のもの(アルコール式)。

 エヴァリス きっちり計れる水温計

アルコール式は種類がとても多いですが、この機種は非常に精度が良いそうです。
このタイプの欠点としては、顔を近づけないと見えないことです。



・本体は水槽の外に置いてセンサーだけを水槽内に入れるデジタルタイプ。

 コトブキ デジメーター2(温度計)

このタイプの多くは気温も測れます。
この機種の特徴はライトが点灯でき、暗いところでも見やすいでしょう。



・本体ごと水槽内に入れるデジタルタイプ。

 ジェックス ミニミニ デジタル水温計

センサー一体型なので水槽内がスッキリします。
使いやすく見やすいのですが、欠点としては、値段が高いことと、時々本体に水が入ってしまう事がある様です。
私はこれを使っています。



 デジタルタイプの方が見やすいのですが、値段が高いので、最初は棒状のもので良いでしょう。取り付けなくてもフグが死ぬようなことはありませんが、これは飼育に対する姿勢の問題です。水温計をチェックする回数が多いほど、何かあったときにフグの命を救うことができます。取り付けられていない水槽など、問題外です。



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